ホットカーペットがあったかい
労働で疲れて、ごはんはいつもコンビニ弁当か松屋の牛丼。
本当は休日に1週間分の食事を作り置きしていたいと思うが、そんな日も布団から出られない、何よりアラームの無い朝をもっと終わらせたくない。
友達とはいつから会ってないだろう。
誰とも会わなくなって、話がしたくて、常連客との何気ない会話が心の拠り所になった。
しかし、職場に行けば多くの誰かがいるのに、孤独感は増すばかり。
”誰か”は”誰か”であって、自分にとって誰という存在ではないから。でも、そうしようというエネルギーもない。
人との繋がりが不可欠な社会で、それが無いのは存在価値が無いに等しい。
そんな思いさえ頭に浮かんでしまう。
うまくいかない。
脆くなった心身を包んで欲しい。
凍える冬の夜、静まった家に帰る。
ホットカーペットの電源を入れてテーブルの前に座る。
今日持ち帰ってきた全ての感情を、こいつには晒して、落ち着く。
今日は今日でこの温かさが自分の救いでもあるのだ。
寂しい夜は、ホットカーペットがあったかい。